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もしも私がありえないくらいのブスで、とんでもないほどのデブで、オシャレにも全く気を使わないような女だったら探は私のことを好きになってくれていただろうか。 とりあえず逆のパターンを考えてみた。 つまり、探がものすごいブサイクで太ってて毎日髪とかボサボサで登校してきたら。 何だか想像できないけど、もしそうだったら私は探のこと好きになっていただろうか。 そりゃ、探の外見だけを好きなわけではないけど、外見含めて彼全体を好きなわけだから、どうなのかはわからない。 探は、どうなのかな。 「愚問だね」 試しに聞いてみれば、あっさりと答えられてしまった。 愚問って、私がこんなに悩んでるのにあっさりと愚問って。まあ、確かにそうなのかもしれないけど。 「…それでも私なりに悩んでるんです」 「ごめんごめん。だって、考えたって仕方ないことだろう? は少なくとも僕の中では可愛くて、太ってもいない、綺麗な体型。髪や服も毎日凝ってるだろう?」 「少なくともって…まあいいや。でもさ、私が聞いてるのは例えばの話なんだから、実際は違っても考えてみるだけ考えてよ」 「…うーん」 探は顎に手をあて、少し悩んでる。 「それでも君が好きだよ」と即答してくれればいいのに、と思ったけど私が探の立場で即答できるかは正直微妙だ。 「やっぱり、考えても仕方ないよ」 「…そ」 「だって、僕はの全部が好きなんだよ。外見も中身も、全部含めて。 そのうち一つ二つ欠けても平気かもしれないし、もしかしたら欠ける場所によってはダメかもしれない。 そこは、微妙なんだよ。僕にだってわからない。だってそうだろう?」 「この場合さ、どんなでも好きだよ、とか言うべきだと思うんだ」 「僕はに嘘は吐きたくないからね。今、がどんなふうに変化しても好きでいる自信はあるよ」 「…どっちなのよ」 「でも、がさっき言ったようなを好きになったかって言われるとわからない。 好きでいつづけるのと、好きになるのでは意味が違う」 なるほど、と思った。私だってそうかもしれない。 実際最初に探をどうして好きになったかって言えば、正直な話外見がかっこいいからという理由だったし。 まあ、その後色々と欠点含め探のことをいろいろわかって、全部、好きになったわけだけど。 「納得した?」 「…うん」 「大事なのは、僕はが好きで、が僕を好きっていう結論だからね。 どこを好きになったか、どうして好きになったかとかそういうのは何でもいいんだよ」 「確かに、ね」 別にドラマチックな恋がしたいわけじゃない。普通に、好きな人と両思いになれれば、それでいい。 そりゃ、オプションとしてほしい出来事はあるけど、それは探るが私を好きでいてくれるということと替えられるものじゃない。 私と探の話を何か漫画や小説にするわけじゃないんだから、探が私を好きで、私が探を好きで。 そんな単純なことで、意外にも幸せになれるものなんだなあ。 起き抜けの哲学者 07.10.13 title/tv様より |